潜水病・・・


潜水が原因で起こる障害を総じて潜水障害(diving injury)といいます。減圧症は、 ダイビングの後に身体内に気泡を生じたものをいいますが、 減圧症は動脈ガス塞栓(arterial gas embolism)と鑑別困難なケースも多いため、 いずれかはっきりしないときには減圧障害(decompression illness)と診断されます。 潜水病という言葉は、潜水障害、減圧障害または減圧症の代用語とされていますが、 いずれの病態を指しているか明確でないので医学的には用いられません。

減圧症を理解する為の予備知識

スクーバダイビングでは、通常、空気ボンベを使用します。 空気の約79%は窒素ですが、この窒素が潜水中に身体に溶け込みます。 窒素は、潜水深度が深ければ深いほど溶け込みやすく、 潜水時間が長ければ長いほど多く溶け込む傾向があります。 ダイビングの終盤に、海面近くに浮上して、水圧がかからなくなると、 それまで溶けていた窒素が身体内で気泡化します。 気泡を作らないためには、減圧速度(浮上速度)が非常に重要であり 、多量の窒素が溶解していても、浮上速度が十分に遅ければ窒素の気泡化は起こらず、 減圧症は発症しません。減圧時に気泡化した窒素が、 たとえ微量であっても身体内のどこかに留まってしまうと減圧症が発症してしまうのです。









 
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